Googleは演算能力に制約されているため、MetaのGeminiモデルへのアクセスを制限した。これによりMetaはトークンをより慎重に使い、自社の内部モデルMuse Sparkに頼らざるを得なくなった。
きっとこの感覚に覚えがあるはずだ。無限だと思ってクラウドサービスに料金を払い、絶対の自信をもってプロジェクトをスケールさせて……そして突然、存在すら知らなかった上限にぶつかる。今度は、そのブレーキをかけられた顧客があなたではなく、地球で最も裕福な企業のひとつであるMetaで、ブレーキをかけたのがほかならぬGoogleだと想像してみてほしい。それこそがFinancial Timesが2026年6月28日に明らかにしたことだ。全員に行き渡るだけの演算能力が単純に足りないという理由で、GoogleはMetaのGeminiモデルへのアクセスを制限した。巨人たちがGPU不足に陥ると、問題は抽象的なものではなくなり、あっという間に極めて現実的なものになる。
ボトルネックはもはや人材ではなく、鉄だ
長年、私たちはAIの限界がモデルの知能や、それを訓練する人材にあると当然のように考えてきた。2026年の現実はもっと散文的で、もっと過酷だ。ボトルネックは、それを稼働させるための物理インフラなのである。GoogleはMetaからの増強要求を部分的にしか承認せず、自社の内部チームにはAIトークンを爪に火をともすように使い、新たなクォータを守るよう命じた。Sundar Pichaiは決算説明会でそれを包み隠さず認めた。「短期的には演算能力に制約されている」と述べ、全需要に応えられていればGoogle Cloudの売上はもっと高かっただろうと認めたのだ。つるはしを売る当人がつるはし不足に陥ったとき、そのゴールドラッシュが本物だとわかる。
目まいがする数字
不足の規模は数字を見れば一目瞭然で、息をのむ。Google Cloudの受注残はたった1四半期で倍近くの4,600億ドルに膨らみ、トークン利用量は1分あたり160億に達した。Googleは年間1,800億ドル超を設備投資に費やしてもなお追いつかず、つなぎの能力としてNvidia製GPU 11万基を確保するためSpaceXに月額9億2,000万ドルを支払う契約を結ぶまでに至った。一方Metaは、ワークロードをGeminiから自社の内部モデルMuse Sparkへ振り向け、従業員7,000人をAI関連の役割に再配置した。構図は明快だ。2026年には演算能力に余裕のある者など誰もいない。それを湯水のように売っている当人ですらだ。
NeuralOSとどう関係するのか
この巨人同士の衝突は、私たちが最初から下していたあるアーキテクチャ上の決定を、まさにリアルタイムで裏づけている。すなわち、製品を単一のモデルプロバイダーに縛りつけないということだ。数十億ドルを抱えるMetaでさえ、プロバイダーが供給不足に陥ると自力で調達に走らざるを得ないのなら、真っ当なプラットフォームであれば、アプリ全体を書き直すことなくモデルやインフラを切り替えられる必要がある。NeuralOSではモデルは設定で選び、プロバイダーは交換可能だ。まさに、単一プレイヤーの不足や価格の人質にならないためである。世界的なGPU危機を私たちが解決するなどと約束するつもりはない。それは馬鹿げている。だが、その荒波であなたの製品が倒れないように設計しているのは確かだ。プロバイダーの柔軟性は、もはや贅沢ではなく生存条件になったのだ。